医師を取り巻く環境
医師不足
医師不足とは、単純に病院やクリニックなどの医療機関で働く医師の人数が少なくて医療現場での人員が足りない状況をいいます。この医師不足によって、病院の閉鎖や、一部の診療科が閉鎖しなくてはいけないくらいの影響がでました。
また、救急や夜間診療が休止される事も有りました。これらの問題が全国各地から相次いで発生するようになり、目立ってきたのが2005年(平成17年)頃からで、現在に至って深刻な問題になっています。医師が特に足りない診療科は、産科(産婦人科)と、小児科の医師です。
また、救急を担当する医師も少なくなっています。医師不足の地域は、都市部ではなく、地方であり、さらに開業医よりも、病院やクリニックで働く勤務医の不足が目立ちます。ここまで深刻な医師不足の原因は一体何なのでしょう?その原因は複合的であり、もともと日本は医師の数が少ないという事が一つ言えます。先進各国の中で人口当りの医師の数が少ない部類に属しています。
そして、政府が1980年代に医師を養成し増え続けると医療費が増えると懸念し、医学部の定員を抑制した事が影響しています。医師不足の事実が公になってから、ようやく2008年に政府は、医学部定員抑制方針を撤回しました。さらに、2年間の研修医として働く期間を設けた「臨床研修制度」を2004年度から新人医師に対し実施された為、医師不足の火に油を注ぐ結果となりました。
この医師不足の為、勤務医の労働環境が悪化し始めました。そして政府が医療にかかる経費を継続的に抑え続けた結果、医師への報酬も伸びることなく、それが悪影響を呼んでいます。この為に、開業医になった方が良いと考える医師が増え、常勤医師から独立するケースも珍しくないようです。
さらに、医師の士気が下がった影響からか、医療ミスなどの事故が発生し、患者が医師を訴える事態も増えました。このように、医師を取り巻く環境は厳しくなっています。